1. テストステロンの役割と分泌量
2. テストステロン補充は筋力アップに効果的
3. 運動と組み合わせてさらに筋肉・体力向上
4. テストステロン補充のメタボリック症候群予防効果
5. 当院でテストステロン補充療法（TRT）を受ける方法

テストステロンは男性ホルモンの一つであり、第二次性徴から20代頃に分泌のピークを迎え、骨や筋肉を作り上げていきます。また、精神的影響ではやる気を出させる、明るい気分にさせることが知られており、その他にも性欲や男性機能を向上させることが知られています。

このテストステロンは、おおよそ45～50才頃分泌量が急激に減少し (G. E. Coles Sr. p.1)、心身ともに影響を及ぼすことが近年研究によって明らかになっています。

テストステロン補充をおこなうと、筋肉量や筋力がアップする効果が期待できる、という点は広く知られています。このことは、これまでおこなわれてきた様々な研究で裏付けられています。

テストステロン補充をおこなわない状態で実施された調査では、テストステロンの値と体組成の相関関係を測定しています。結果は年齢や属性にかかわらず、テストステロンの値が低いほど腹部の脂肪率は高く、体全体の体脂肪率も高くなりました。(M. T. Haren, p.267)

また、テストステロンを日常的に補充することで、体組成にどのような変化が現れるか、という研究結果も発表されています。 60才以上の男性が参加した研究では、12ヶ月の間、テストステロン経口薬80mgを一日2回摂取しました(M. T. Haren, pp.404-405)。服用開始から6か月後に計測すると、テストステロンを摂取したグループは体脂肪率が平均約4％減少した一方、プラセボ薬を摂取したグループは約4％増加しました。12カ月の試験終了後には、年齢、BMI、栄養状況、喫煙、身体的活動にかかわらず、テストステロン摂取グループは体脂肪率が平均約1％減少、プラセボ薬グループは約4％増加していました。(M. T. Haren, p.416)

テストステロン補充と運動を組み合わせて相乗効果が現れるか、という研究もおこなわれています。

  50～70才で、腹囲が95cm以上でありテストステロン値が低い男性が参加した研究では、テストステロンクリーム、もしくはプラセボ薬を使用して運動との相乗効果があるか調査されました。この研究では体全身の体脂肪率の変化は観測されなかったものの、クリームを使用し、かつ運動したグループでは脚や腕のみの筋肉量が増加していました。(D. J. Green 2024)

 比較的若い年齢層を対象とした研究を参照してみると、19～40才の男性を対象とした研究では、10週間の間筋力トレーニングとテストステロン補充を組み合わせ、体組成、筋肉の大きさ、筋力の変化を測定し、結果は以下のようになりました。( S. Bhasin 1996)

また、65～86才の男性がテストステロン補充と運動を組み合わせておこなった試験では6か月間テストステロンクリームを使用したグループのほうが有酸素運動をおこなう能力がより高かったという結果でした。(D. J. Green 2024)

テストステロン値は、メタボリック症候群や肥満傾向とも関連があるとされています。メタボリック症候群や肥満症状のない男性を対象に行なった調査では、総テストステロン値・遊離（フリー）テストステロン値が低い男性は、その後11年間の追跡調査でメタボリック症候群や肥満になる割合が高かったとしています。

 加えて、テストステロン補充がメタボリック症候群の様々な側面を改善した、という研究も発表されています。35〜70才でメタボリック症候群と低テストステロンの両方を持つ男性が参加した試験では、30週間テストステロンもしくはプラセボ薬を摂取したところ、テストステロンを摂取したグループでは体重、BMI、腹囲が大幅に減少しました。

 また、加齢によってテストステロン分泌量が低下し、かつEDの症状がある男性を対象に、テストステロン補充をおこなった研究では、体重、腹囲、血圧、グルコース、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる悪玉コレステロールが減少し、余分なコレステロールや血管壁のコレステロールを回収するはたらきのある善玉コレステロールが増加しました。

上記で参照した通り、テストステロン補充には筋肉量、筋力、体力の増強効果、さらにはメタボリック症候群や肥満傾向を予防する効果が期待できるとされています。

当院では、無料のオンライン診療にてお気軽に医師へご相談いただき、テストステロン補充療法（TRT）を希望される方に処方を行っています。

現在、血流改善によるアンチエイジング効果が期待できるタダラフィル5mgとのセットをおすすめしております。

年をとるにつれて体形が変わった、という方は、ぜひこの機会にテストステロン補充療法を受けてみることをおすすめいたします。

D. J. Green, L. C. Chasland, B. B. Yeap, L. H. Naylor. “Comparing The Impacts Of Testosterone And Exercise On Lean Body Mass, Strength And Aerobic Fitness In Aging Men”. Sports Medicine - Open Volume 10, Article Number: 30, 2024.

G. E. Coles Sr. “The Psychological Impact Of Testosterone Replacement Therapy In Middle-Aged Men”. Walden Dissertations And Doctoral Studies Collection, 2019, P.87.

G. R. Cunningham. “Testosterone And Metabolic Syndrome” Asian J Androl. 2015 Mar-Apr; 17(2): 192–196, 2015.

M. T. Haren. “Endogenous Serum Testosterone In Man:Ageing, The Metabolic Syndrome, Functional Decline And The Role Of Supplementation.”. University Of Adelaide, Medical School, 2005, P.492.

S. Bhasin, T. W. Storer, N. Berman, C. Callegari, B. Clevenger, J. Phillips, T. J. Bunnell, R. Tricker, A. Shirazi, R. Casaburi. “The Effects Of Supraphysiologic Doses Of Testosterone On Muscle Size And Strength In Normal Men”. N Engl J Med 1996;335:1-7, 1996.

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