ホルモン補充療法(HRT)で更年期予防、緩和
心身のバランスを整える、女性のためのヘルスケア。
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目次
1. ホルモン補充療法(HRT)とは
2. エストロゲンの分泌と補充療法の仕組み
3. エストロゲンの種類とその効果
4. エストロゲン補充が適している人
5.使用について
6. 当院での処方
7. 注意事項
8. 参考資料
1. ホルモン補充療法(HRT)とは
ホルモン補充療法(HRT:Hormone Replacement Therapy)とは、女性のホルモンを補充することで、閉経前~閉経後の症状の予防、緩和、改善をおこなう治療です。日本ではあまり一般的ではありませんが、欧米では30年ほど前からおこなわれています。 (Regidor 2014)
当院のHRTでは、従来の2種類のクリームに加え、新たにエストロゲン経口薬の取り扱いを開始しました。
<経口薬>
☆エストロゲン(卵胞ホルモン)補充
<クリーム>
①プロゲステロン(黄体ホルモン)補充
②低用量テストステロン(男性ホルモン)補充
今回は、エストロゲン補充の効果と仕組みについて、詳しく解説いたします。
2. エストロゲンの分泌と補充療法の仕組み
エストロゲン(卵胞ホルモン)は、女性らしい身体(乳房の発育、丸みのある身体)をつくり、子宮内膜を厚くして妊娠に備える働きの他、コラーゲンの生成を促して肌ツヤを出したり、健康的な血管、血液、骨、脳を保ったりする働きがあります。
このエストロゲンは、30代頃から分泌量が徐々に減っていき、閉経の前後5年間、急激に低下するため、下記のような症状が現れます。
・ほてり、のぼせ、発汗
・手足の冷え
・頭痛、めまい、動悸
・耳鳴り
・尿漏れ、頻尿
・物忘れが多い
・判断力、集中力の低下
クリーム、パッチ、経口薬でエストロゲンを補充することで上記の症状を予防・緩和することができるほか、下記のリスクも抑えることができます。
・心血管疾患
・脂質代謝以上(コレステロール、中性脂肪の増加)
・排尿障害(頻尿、膀胱炎など)
・骨粗鬆症
(Life Extension Magazine 2008)
エストロゲンの補充を取り入れることで、更年期症状の発生を少しでも遅らせ、また症状を緩和することが可能です。
それによって、お仕事や家庭生活、趣味などあらゆる場面で体調不良に悩まされずいつまでも活躍できることが期待できます。
3. エストロゲンの種類とその効果
エストロゲンは、分泌される時期や身体の状態によって下記の3種類に分類されます。(Mandel 2023)
①エストラジオール:
妊娠していない女性の体内で分泌される、最も一般的なエストロゲン。分泌量は月経周期に応じて増減する。身体に与える影響が一番強い。
②エストロン:
更年期を迎えると最も分泌量が多くなる。身体に与える影響は2番目に強い。
③エストリオール:
妊娠中に最も多く分泌される。身体に与える影響は1番弱い。乳がんのリスクを上げづらい。
一般的に、エストロゲンが乳房細胞のエストロゲン受容体と組み合わさることで乳がんのリスクが高まると言われています。
しかしエストリオールはエストロゲン受容体と組み合わさっても乳がんを発生させる効果が弱く、むしろ他のより効果が強いエストロゲンとの合体を阻んで乳がんリスクを下げる効果があると言われています。(Body Logic MD)
4. エストロゲン補充が適している人
閉経前の不調やホルモンバランスの崩れは、早ければ30代後半から始まると言われています。
また、閉経後はホルモンの分泌量が減少していく一方であるため、閉経前から更年期症状を予防したい方、自覚している更年期症状を緩和したい方、年齢を重ねても活発に活動していきたい方にエストロゲン補充をおすすめいたします。
5. 使用方法について
当院で扱うエストロゲン補充医薬品は経口薬であるため、1日1回1錠を飲むだけで非常に簡単にご使用いただけます。
また、エストロゲン補充経口薬は単体で服用すると子宮内膜症のリスクが挙がる可能性があるため、リスクを抑えるために当院では現在、プロゲステロン補充クリーム(プロフェム10%)とのセットプランのみを取り扱っています。
プロゲステロン補充クリームの使用方法については、こちらをご参照ください。
なお、HRT医薬品は、効果を実感するまでに約3ヶ月程かかるとされています。すぐには効果を感じられなくても、地道に使い続けていただくことが重要です。
6. 当院での処方
当院では、電話によるオンライン診療を通して通院をせず手軽に治療を始めることが可能です。
また、診療予約前に購入したい医薬品を決めなくても、「お薬相談」という形で症状や体調を医師にご相談いただけます。
お客様によって異なる体質・お悩みを確認してから、一人一人に合った治療法を医師からご提案いたします。
7. 注意事項
エストロゲン錠剤(エストリール錠1mg)医薬品の副作用として、下記が生じる可能性があります。
・血栓症(重大な副作用、直ちに服用を中止する)
・過敏症:発疹、そう痒感等
・子宮:不正出血、帯下増加
・乳房:乳房痛、乳房緊満感等
・消化器:悪心、食欲不振等
・肝臓:AST・ALT の上昇等 ・嘔吐
・その他:めまい、脱力感、全身熱感、体重増加
上記症状が現れたら服用を中止し、すぐに当院もしくはかかりつけ医に相談していただくようお願いいたします。
8. 参考資料
・Body Logic MD. “What’s the Role of Estriol in Women?”. https://www.bodylogicmd.com/hormones-for-women/estriol/.
・British Menopausal Society. “Testosterone Replacement in Menopause”. Information for GP’s and other health professionals. 2022.
・Life Extension Magazine., “Estriol: Its Weakness is Its Strength”. 2008-08, https://www.lifeextension.com/magazine/2008/8/estriol-its-weakness-is-its-strength.
・P. A. Regidor. “Progesterone in Peri- and Postmenopause: A Review”. Geburtshilfe Frauenheilkd. 2014 Nov; 74(11): 995–1002.
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