メトホルミンとリベルサス併用の可能性:基礎作用からアンチエイジング効果まで医学データで解説
- メトホルミンの基本情報とメカニズム
- 研究データに基づく効果の検証
- 使用前の注意点と副作用
- メトホルミン×リベルサス3mgの併用|「低用量」で効果を最大化する新戦略
- メトホルミンの使い方・治療の進め方

近年、老化のメカニズムを研究する「加齢医学(アンチエイジング医学)」が急速に進んでいます。
そうした分野で特に注目されているのが、60年以上にわたり糖尿病治療に用いられてきた「メトホルミン」です。メトホルミンは血糖値を下げるだけでなく、細胞のエネルギー代謝や炎症、DNA修復など、健康寿命に関わる複数の経路に作用する可能性が研究によって示唆されています。そのため現在、米国では「老化自体を治療ターゲットにできるか」を検証する大規模臨床試験(TAME試験)が進行中です。
一方で、メトホルミン単剤での減量効果はマイルドであり、短期間では大きな変化は期待できません。そのため、海外のクリニックなどでは「代謝の土台を整えるメトホルミン」に、「食欲をコントロールする低用量のリベルサス」を組み合わせるアプローチが検討されています。
本記事では、メトホルミンの基礎的な働きから、研究段階で注目されているアンチエイジングに期待される効果、そしてリベルサス3mgとの併用が検討される理由まで、医学データに基づいて解説します。
メトホルミンの基本情報とメカニズム
メトホルミンは、60年以上の歴史を持つ「ビグアナイド系」に分類される、主に2型糖尿病に使われる薬です。安全性と実績の高さから、世界中で第一選択薬として広く処方されています。近年では、単なる血糖降下薬という枠を超え、「細胞レベルでの代謝改善」や「アンチエイジング」の可能性を秘めた薬として、医学界で大きな注目を集めています。
ここでは、その基本情報と具体的な作用メカニズムについて解説します。

メトホルミンが注目される理由は、その作用が細胞の代謝システムそのものに働きかけるからです。主なメカニズムは以下の3つの軸で説明されます1。
- 「長寿遺伝子」AMPKの活性化とオートファジー
アンチエイジング研究の核心です。メトホルミンは細胞内のエネルギーセンサーである酵素「AMPK」を活性化させます。これにより体は擬似的な「飢餓状態」と判断し、オートファジー(細胞の自浄作用)を誘導します。細胞内の古くなったタンパク質や老廃物が掃除され、全身の細胞がリフレッシュすると考えられています。
脳のGLP-1受容体を活性化することで、ウゴービは空腹感を減らし、食欲を抑え、満腹感を高めるのを助けます。これにより、自然と食事量が減少します³。 - DNA修復と酸化ストレスの軽減
老化の原因の一つは、細胞の設計図であるDNAの損傷と、活性酸素による「体のサビ(酸化)」です。メトホルミンには強力な抗酸化作用があり、酸化ストレスを減らしてDNAの修復プロセスをサポートする可能性が研究されています。 - 糖代謝(インスリン抵抗性)の改善
肝臓での過剰な糖の生成(糖新生)を抑え、筋肉での糖の利用を促します。これにより、少ないインスリン量でも効率よく血糖を取り込めるようになるため、膵臓の負担が減り、結果として「太りにくく、老けにくい」代謝状態へと導きます。
研究データに基づく効果の検証
メトホルミンの効果については、現在承認されている「糖尿病領域」と、研究段階として期待されている「抗老化領域」を分けて理解する必要があります。
減量・抗肥満効果について
- 結論:
「飲むだけで激痩せする薬」ではありません。 - データ:
糖尿病患者を対象とした研究(DPP試験など)では、生活習慣への介入と併用することで、平均して1〜3kg程度の緩やかな体重減少が報告されています2。 - 役割:
急激なダイエットではなく、「リバウンド防止」や「太りにくい体質のベース作り」に適しています。

アンチエイジング・長寿について
- 観察研究:英国の大規模研究(UKPDS)において、メトホルミン服用群は、他の治療群に比べて全死亡リスクや心筋梗塞のリスクが低かったことが報告されています3。
- TAME試験:米国では「老化そのものを治療ターゲット」とした世界初の大規模臨床試験「TAME」が進行中です。健康な人が服用することで寿命が延びるかどうかの最終結論はまだ出ていませんが、世界的な期待が集まっています1。

その他の健康メリット(多面的効果)
血糖コントロール以外にも、以下のような副次的なメリットが研究されています。
- 抗炎症作用:加齢に伴う慢性的な炎症(微小炎症)は、老化の主要因です。メトホルミンには炎症性サイトカインを抑制する作用があり、血管や臓器の老化を防ぐ可能性があります。
- 腸内環境の改善:腸内細菌叢(腸内フローラ)に良い影響を与え、便通の改善や代謝の向上に寄与することが分かっています。
臨床試験では、ウゴービを投与された参加者は、68週間で平均14.9%から17.4%の体重減少を達成しました。さらに、参加者の69%から79%が体重の少なくとも10%の減量に成功し、51%から64%が15%以上の減量を達成するなど、多くの人が劇的な結果を経験しました⁴。

臨床試験では、ウゴービを投与された参加者は、68週間で平均14.9%から17.4%の体重減少を達成しました。さらに、参加者の69%から79%が体重の少なくとも10%の減量に成功し、51%から64%が15%以上の減量を達成するなど、多くの人が劇的な結果を経験しました⁴。

これらの結果は、プラセボ群と比較してはるかに高い数値です。結果には個人の代謝、食事、運動などの要因によって差がありますが、このGLP-1治療計画を継続することが持続的な結果を得る上で重要となります。
使用前の注意点と副作用
メトホルミンは安価で、長い間使われてきた歴史ある薬ですが、副作用や使用上には注意が必要です。

一般的な副作用:胃腸障害
服用開始初期に約20〜30%の方に下痢、軟便、吐き気、腹痛などが現れます4。
• 対策:空腹時を避け、「食後」に服用することで軽減される可能性があります。また、少量(250mg〜500mg)から開始することで多くの場合は軽減できます。
重大な副作用:乳酸アシドーシス(極めて稀だが危険)
血液中の乳酸が増加し、血液が酸性に傾く重篤な状態です。以下の条件でリスクが高まるため注意が必要です5。
- アルコール大量摂取時
- 脱水状態(発熱、下痢、激しい運動時)
- 腎機能が低下している時
- 肝機能が低下している時
- 心血管系、肺機能が低下している時
- ヨード造影剤を使用する検査(CTなど)の前後
- 高齢者
- 妊婦
長期服用の注意点
• ビタミンB12欠乏症:長期間の服用によりビタミンB12の吸収が低下することがあります。定期的な血液検査が推奨されます。
対象者・非対象者(禁忌)
本剤は医師の処方が必要です。特に腎機能のチェックが重要です。
【推奨される方(自由診療)】
- 科学的根拠に基づいた「健康寿命の延伸」に関心がある方
- 食事・運動に加えて、太りにくい体質維持のサポートが欲しい方
- コストを抑えて長期的な健康投資をしたい方
【推奨される方(自由診療)】
- 腎機能障害がある方(eGFR30未満は禁忌、30-60は慎重投与)
- 重度の肝機能障害、心不全、呼吸器疾患がある方
- 過度のアルコール摂取者
- 妊婦、授乳中の方、妊娠の可能性がある方
メトホルミン×GLP-1錠剤リベルサス3mgの併用|「低用量」で効果を最大化する新戦略

メトホルミンは「代謝の土台」を整えることに長けていますが、前述の通り単体での減量効果はマイルドです。そこで、見た目の変化と結果を期待して、リベルサス3mgをプラスする併用療法が注目されています。
- 「併用時」と「単剤使用時」の体重への影響
通常、リベルサス単体で大きな変化を得るには増量が必要ですが、メトホルミンを併用することで、低用量でもしっかりとした成果が報告されています。
海外の臨床データによると、この2剤の併用療法を行った場合、メトホルミン単独で使用した場合と比較して「約3倍」の体重減少効果(16週間で平均約6kgの減少例)が示されました6。
メトホルミンで「燃えやすい体」を作り、リベルサスで「脂肪減少」を加速させる。この組み合わせなら、効率よく理想の体型へ近づけます。 - 脳への「食欲抑制作用」と細胞への「代謝改善作用」の補完
メトホルミンは細胞にアプローチし、リベルサスは脳の満腹中枢に働きます。 - メトホルミン:細胞内のミトコンドリアやDNAに働きかけ、「燃焼効率アップ」「細胞の修復(オートファジー)」を担います。
- リベルサス:脳の満腹中枢に働きかけ、「食欲そのもの」を抑制し、「間食」を防止します。さらに、脳の炎症を抑え、「集中力」や「メンタル」を整える働きも期待されています。
- リベルサスとメトホルミンの同時投与により、効率よく理想の体型へ導く環境が整います。
- DNA修復などの「エイジングケア」と「集中力」へのサポート
通常、リベルサスの効果を期待するには高用量(7mg〜14mg)への増量が必要とされますが、強い吐き気などの副作用リスクを伴います。
しかし、メトホルミンをベースに併用する場合、リベルサスは副作用の少ない3mgのままでも十分な効果が期待できます。 - 副作用リスクの低減:体への負担を最小限に抑える
- 継続性:無理なく続けられるため、リバウンド防止に最適
- ※両剤とも血糖値や胃腸に作用するため、自己判断での併用は低血糖などのリスクがあります。必ず医師の診察を受け、腎機能などに問題がないか確認した上で処方を受けてください。また、日本国内においては、体重減少目的での使用は適応外であり自由診療となります。
リベルサスとメトホルミンの同時投与により、効率よく理想の体型へ導く環境が整います。
ウゴービ:服用すべき人、服用すべきでない人
ウゴービはすべての人に適しているわけではないため、開始する前に必ず医療従事者にご相談ください。
メトホルミンの使い方・治療の進め方

安全に効果を得るため、メトホルミンの基本的な服用方法を理解しましょう。
- 少量スタート・漸増法:
最初は1日250mg〜500mgの低用量から開始し、副作用がないことを確認しながら、数週間かけて有効量(750mg〜1500mg等)まで増量します。 - 食直前又は食後服用:
臨床試験にて、食直前(食事開始10分前)または食後で効果を検討しています。 - シックデイ時の対応:
発熱、下痢、嘔吐などで食事がとれない時や脱水気味の時は、乳酸アシドーシスを防ぐために服用を中止(休薬)してください。
【入手方法】
医療機関での診察を経て処方されます。個人輸入などの自己判断による入手は、偽造品の混入や副作用対応の遅れにつながるため推奨されません。
【重要:適応外使用について】
本記事で解説する「ダイエット」「アンチエイジング(抗老化)」を目的としたメトホルミンの使用は、日本国内において承認されていません。国内で承認されているメトホルミンの効能・効果は「2型糖尿病」「多嚢胞性卵巣症候群」のみです。美容・健康増進目的での使用は「自由診療(全額自己負担)」となり、万が一の副作用に対する「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。

参考文献・出典
1.Cell Metab. 2016;23(6):1060-1065.
2.N Engl J Med. 2002 Feb 7;346(6):393-403.
3.Lancet. 1998 Sep 12;352(9131):854-65.
4.Front Endocrinol (Lausanne). 2022 Sep 14:13:975912.
5.住友ファーマ株式会社 メトグルコ添付文書
6.Reprod Biol Endocrinol. 2025 Jul 26;23(1):108.
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